【インドに行ったきた】ムンバイ1日目-都会の電車は恐ろしい-
さすがに飽きた。
最初は新鮮だった、インドの夜行電車も28時間も乗るとなると、さすがに飽きた。
前日の夜はすることもないので10時には寝たので、朝7時には目が覚めてしまう。
しかし、起きてもまだ下のおっちゃんは寝てるし、読書もするにしてもずっと寝たままの姿勢だと疲れる。
仕方なく、ぼーっとしてみる。
すると「これは本当に現実なのか」という気がしてきた。
ほんの数週間前までは、インドのことを知るにしても、自分の頭で想像するしかなかった。それが今、インドという土地の、しかも現地の人と一緒に夜行列車にいるのだ。下を見たらインド人のおっちゃんとおばあさんが寝てるし、電車の中も明らかに日本にない形、そうインドの夜行電車だ。
ほんの数日海外旅行に行っただけでは、「本当に行ったのだろうか?」と帰った時に思う人が多いらしい。現実ではなかったような気がするんだとか。となると、日数はできるだけ多く、かつ観光地だけめぐるのでなく現地にどれだけ入れるかによって変わってくるのだろう。
8時くらいになるとおばあさんはどこかに去っていった。
行きの飛行機もそうだったが、インド人にとっては「空いてる席=自由に座っていい席」なのだろう。おばあさんも知り合いの近くの「空いてる席」に行ったんだと思う。
そして、どこかの駅に到着した。
お腹も減ったし、クッキー&チョコも飽きたので、何かを買いに出る。
もはや、お腹を壊すことなど恐れるに足らず。
どうせ慢性的に調子は悪いのだ。
エネルギーが足りないほうが辛いに決まってる。
と自分にとって合理的な判断を下し、外に何かを買いに出る。
朝飯の時間帯なので、種類は豊富だ。
カレー、カレー、豆カレー、カレー味っぽい何か。
カレーっぽい何かを買ってみる。直径8cmぐらいの丸いパンのようなもので、かすかにカレー臭がする。それが2つで30ルピーだった。
車内に入って、食す。
カレー味のじゃがいもパンだ。これが意外とうまかった。
じゃがいもそのものの味がうまくて…(味付け関係なし)。
アヤコとミホさんは寝てるし、ダイちゃんは「いらね!」と言うので1人で完食。
下のおばあさんがいなくなったので、ベッド下げて椅子に。
3C寝台は3段ベッドのすべてがベッドなわけではなく、真ん中は折りたたみ式のベッドになっていて、昼間は向かい合わせの椅子になるのだ。
ここから到着までは、一言で言えば「気怠い時間」だった。
旅も終盤に差し掛かり「知らない土地にきた興奮」もないし、体調もよくはない。
特にすることもない。
途中、物乞いの子どもが来たが、それはまた別の機会に。
だんだん高層マンションなど、都会的な建物が目立つようになってきた。
ムンバイへの到着が近いようだ。
そして、着いた。
ただ、終点のムンバイCST駅ではない駅で止まって動かない。
同じ電車に乗っていた白人の青年曰く、「行き先が変わって、ここが終点になった」んだとか。
「最後までインドの電車は…」と思いたいところだが、もはや驚きはしない。皆、落ち着いている。「しょうがないな~。ホテル最寄りの駅までの行き方聞かなくちゃ」たくましくなってる…。
この駅で電車を降りて、そのへんにいるインド人を見た時に感じたことがあった。
顔つきが違うのだ。姿見はこれまでのインド人と変わらないとはいえ、なんとなく余裕がある雰囲気がある。都会ということで、裕福な人が多いのだろうか。
また、普通の大学生のような若者も見かける。
電車から降りた瞬間から、ムンバイは今までのインドの町とは違いかなりの都会であるように感じられた。
駅の窓口で宿の最寄り駅、ムンバイセントラル駅へ向かう電車の聞き、ホームに向かう。ホッと一息、階段を降りていたら乗るホームに電車が入ってきている。
ダッシュ。一列で走って、俺が一番後ろ。
ムンバイの電車にはドアがない(下写真、正確に言うと、ドアはあるけど常に全開)。
そのまま駆け込む。3人は乗れた。
ところが、俺が乗ろうとすると電車が動き出す。
マジか…
慌てて、ドアのあるべき位置にあるポールにつかまる。
背中には重たいバックパック。振り落とされそうになる。
振り落とされてしまったほうが安全そうだ。だが、互いの連絡手段がないため別れると非常にめんどくさい。
うおぉぉぉ!!!
もぉぉぉぉ!!!
乗れた…
インド人は、「そんなの日常茶飯事さっ」とでも言うかのように、こちらを見向きもしない。
なんたって、ムンバイでは通勤時の電車で一日平均12人もの人が命を落とす。
(参考:『混雑で1日平均12人が死亡、ムンバイの通勤列車』国際ニュース : AFPBB News http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2411105/3081207)
乗車率は、250%だそうだ。
恐ろしい…
悪気はないのだろうが、こっちを見るインド人の顔も恐ろしい…
10分ほどでムンバイセントラル駅に到着。
タクシーを探す。
そう、ムンバイ中心部にはオートリキシャがない。立ち入れない決まりになっているらしく、その代わりに黒い車体に黄色い天井のタクシーが走り回っている。
適当なタクシーを見つけて、宿に連れて行ってもらう。ただ、この運転者がその日泊まる予定の宿を知らなかった。散々聞いて歩き回ったあと、駅から徒歩5分もかからないところに到着。
とぼけた顔して、交渉して決めた100ルピーを要求する運転手。歩いていけたし…
その日は、貧乏旅行の定番、ゲストハウス。
入った瞬間、「汚い…」。
セミダブルのベッドが1つで2人寝るには感覚が狭いし、蒸し暑いから天井の送風機を回したら、ものすごい音で、しかも落ちてきそうだ。
極めつけは、シャワーがない。蛇口が膝ぐらいの位置にあるだけ。
そのぐらいでは驚かないし、文句を言わないぐらいにはなっていたけれど。
やたら店員の多いケンタッキー(カレーは飽きた)を食べ、少しぶらぶらして就寝。
次の日は、実質最終日。
植民地自体の中枢、そしてインド最大の都市、ムンバイを歩く。