感想|映画『ゴーンガール』

デヴィッド・フィンチャー監督作品の鑑賞は、『ファイト・クラブ』『ベンジャミン・バトン』に次ぐ3作品目。結末の衝撃度で言ったら『ファイト・クラブ』は今まで見た映画の中でも飛び抜けて高く、『ゴーンガール』にも期待が高まる。

【あらすじ】
結婚5周年の記念日、ミズーリ州の片田舎に暮らすニック・ダン(ベン・アフレック)は、
外出先から家に帰ると妻エイミー(ロザムンド・パイク)が失踪したことを見つける。美男美女のカップル、かつエイミーは有名な作家の娘ということもあり、大規模な操作に発展する。調査が進むにつれて、ダンにに不利な証拠が次々に見つかり、やがて世間からは妻殺害の容疑者扱いされてしまう。

この映画は、見る人が未婚か既婚か、男か女かによって、感想が大きく変わってくる映画である。
「結婚」というキーワードが大きく関わってくるため、既婚の人は大きく衝撃を受けるかと。

未婚の自分としては、リアルな実感をもって怖さを感じることはできなかった。
かと言って、未来の結婚に対して悲観的になることもなかった。幻想を抱きすぎ、とも思う。

ミステリー映画としては面白かった。エンターテインメントとしては、未婚既婚男女に関わらず面白いと思う。半ばで大きなネタばらしをされ、鑑賞者が進むと予測していたであろう展開が大きく崩れる。またラストにも大きな展開が変わり、全体の主題が明らかになっていく。。

単純に語るのであれば、
「ちやほやしてくれないと嫌な妻と、ちょっとクズな夫が結婚したために起きた悲劇的なドラマ」
になるだろうが、他の大きな切り口で語れる映画でもある。

結婚、夫婦という他者。。

「結婚とはこういうことよ」
というエイミーが最後に語る言葉が、全てを物語っている。

人間誰しも「演じる」ことで生きているんだろうけど、それが一生続くのが結婚。
その「自分の態度、言葉、感情についての、演じている割合」が、夫婦の関係性に大きく関わってくるのだろう。

20代の自分が見ても面白かったが、
やっぱり、既婚の30-40代が見るのが一番面白く、かつ怖い映画である。