音博2014 (今更ながらくるりまで)

くるりの主催するフェス、京都音楽博覧会
2014年、第8回目の開催に書きかけだったのでその続き。

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椎名林檎

野外での椎名林檎は貴重ではないだろうか。
一体どんな雰囲気で、どんな音楽を聞かせてくれるのだろうかと非常に楽しみだった。

tofubeatsが終わるとイスがいくつか並べられ、おじさんがぞろぞろと出てきた。
その中に1人、見たことのある人がいるかと思えば斎藤ネコ
そして登場の椎名林檎は浴衣を身につけている。

弦楽カルテットにピアノとアコーディオンを加えた、和服の楽団編成である。

1曲目はカルテット調の『いろはにほへと』。
挨拶もそこそこに「ここでゲストシンガーを」という言葉の後に登場したのは、音博常連の石川さゆり

石川さゆりさんをイメージして作った」という『カーネーション』、椎名林檎石川さゆりに提供した『名うての泥棒猫』『最果てが見たい』を歌った。3曲続けての「椎名林檎×石川さゆり」である。

石川さゆりが歌う姿というものを生で初めて見たのだが、正直驚いた。すごすぎる。圧巻の一言。
日本を代表する歌手の1人だから当たり前といえばそれまでだが、そんな言葉では言い表せない歌唱力だった。

3曲を歌い終わり石川さゆりは退場。そこからは歌い手椎名林檎のオンステージである。

『丸の内サディスティック』『歌舞伎町の女王』 『NIPPON』 『ありあまる富』と昔の曲から今年の曲までを歌う。もう何百回と歌ったであろう『丸の内サディスティック』の歌詞を間違えて「あ、間違えた」と言う場面があったり、『歌舞伎町の女王』 間奏部分で口笛を吹いたりと、普段の椎名林檎のLIVEでは少し見られないステージだった。

また椎名林檎といえば夜&室内のイメージだが、昼間&屋外のステージも音博ならではということで、ここでしか見られないものではなかっただろうか。本人はまぶしくて歌いにくそうだったけれど。


くるり

ペンギンカフェの演奏が終わり、いよいよ大トリのくるりの登場。
ドラムが2人いたりと、総勢10人の大くるりでの登場だった。

最初の曲は、音博の直前の9月頭に発売した『THE PIER』の1曲目『2034』。
打ち込みの音から始まり、途中から一斉にバンドの音が入る。

その後、『THE PIER』収録『日本海』『Brose&Butter』『Liberty&Gravity』の3曲を演奏。

ステージの横で、トミ・レブレロが聞いていたが、無国籍な曲である『Liberty&Gravity』を聞いてどう思ったのか気になるところ。


くるり-Liberty&Gravity / Quruli-Liberty&Gravity - YouTube


そこからの5曲は新旧織り交ぜ『TIME』『三日月』『ジュビリー』『グッドモーニング『Loveless』を演奏。

アンコール前の最後の曲は『東京』だ。
『東京』はLIVEではよく演奏される曲だけど、音博では珍しいんだとか。
『東京』は東京に出た時に作られた時の曲だが、少し前、くるりは京都に戻ってきていた。
それが「ファンファンを1回上京させたかったため」また東京に引っ越した。親心ではないけれど、岸田さんと佐藤さんの思いやり。

そしてアンコール1曲目は「rei harakami佐久間正英に捧げたいと思います」と言う言葉から演奏された『There is(always light) 』。


くるり-There is(always light) / Quruli-There is(always light ...

さよなら
別れは つらいものだとして
ありふれたもので 溢れかえる
暮らしを捨てて行くの 何処へ海鳴りのする方
便り出せば 届くそんな時代に 生まれたんだよ 僕らは 大したことはない

さよなら やっぱりね 抜け殻だよ僕ら
あなたが残した 音楽も台詞も全然
普段使い新しい景色にも困難多き時代にも響く


最後はメンバーの3人だけ残って、恒例の『宿はなし』。
今は京都にいるわはないくるり。そして今住んでいる東京からも、LIVEなどで離れることが多い。
そんな「宿のない」彼らの一年に一回帰ってこれる場所が、京都音博なのである。


今回の音博は、昨年までの音博以上に音博らしい音博だった。
アルゼンチンからレバノン、イギリスまで。博覧会という名前にふさわしい顔ぶれだった。
くるりのファンの人も、京都に住んでいるから来てみたという人も、自分の知らない音楽に出会うことができるこの場は貴重で素晴らしいものだと思った。

またトミ・ロブレロがくるりの演奏を熱心に聞いていたと書いたけれど、そんな風に外国の人に、日本の音楽が広がったり、あるいは逆もそうだけれど、もっと相互交流できればいいんじゃないかと素人なりに思った。

2015年音博があったら行くか。もちろん行くだろう。
例えくるり以外のアーティストを知らなくとも、それが音博の醍醐味なのだから、くるりが出ないことがない限り参加は必須である。今年も楽しみだ。

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