音博2014(~tofubeats)

くるりの主催するフェス、京都音楽博覧会
2014年、第8回目の開催にして初めて参加してきた。

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9月のとある日に、夜仕事をしながらくるりの動画を見ていたら衝動に駆られチケットを購入した。

その雰囲気や出演するアーティストをほとんど知らずに行くことを決めたわけだけど
岸田さんが、

地域の交流の場として、そして賑わいの広場として、年々活気を増しつつある梅小路公園が会場です。文化と芸術、そして国際交流の街、京都。そんな街並みに相応しい素敵な音楽博覧会を目指します。皆さんの心に未来と希望を届けることが目標です。

と言うように、自分の知らないモノ・コトを知る場、すなわち博覧会に
参加するような気持ちで期待をしていた。
突然でかつどんな形のフェスか予想もできない中での参加だったが、
それは他の大型フェスにはないような独特なもの。

新しいものを知る/聞く、その時のくるりを知る/聞くという目的で、
自分にとって毎年参加したいフェスになった。

タイムテーブル順に振り返ってみたいと思う。

サラーム海上の音楽遊覧飛行】

サラームさんは「よろずエキゾ風物ライター/中東料理研究家/DJ 中東やインドにて音楽や料理、風物をフィールドワークし続ける」といった肩書で中東を中心に世界各国の音楽に詳しい人のよう。

何の前触れもなく岸田さんと一緒に登場し、一緒に世界各国の音楽を聴く時間を作ってくれた。
岸田さんはインタビューの中で「自分が他の人と差をつけることができるのは、聞いてきた音楽の量」といったような話をしていたが、この時間は「2人のオタクが自分たちの好きな音楽をかけて楽しむ時間」だった。

【トミ・レブレロ】

バンドネオンを弾く容器なアルゼンチン人。
一見アコーディオンに見えるバンドネオンだが、リードオルガンアコーディオンなどの楽器をもとに作られた楽器。鍵盤ではなくボタンで弾くのも、アコーディオンとは違う点である。

サポートメンバーとして、全身赤い服を着たバイオリン演者が一緒だった。
バンドネオンとバイオリンのデュオ演奏からスタート。
途中、バンドネオンだけかと思ったら、ギターの弾き語りもあり意外と聞かせる。

そして松尾芭蕉

曲と曲の間に入るMC、英語をうまく聞きとることができなかったのだが
松尾芭蕉」というワードだけ聞こえる。
松尾芭蕉?そう、松尾芭蕉を連呼する曲を歌い始めた。数回来日して作った曲らしい。


Tomi Lebrero「松尾芭蕉」 filmed by 三田村亮 - YouTube

客席から歓声とともに笑い声が聞こえてくる。
自分たちとは見た目の違うアルゼンチン人、そして見慣れない楽器バンドネオン
それと「松尾芭蕉」の組み合わせがアンマッチングで、ただその演奏は情熱的。

最後に上着を脱ぎ(上裸)、ウクレレの演奏と共にラストナンバーを歌いきった。
ワールドミュージックをあまり聞かない人にとっては敷居の高い音楽かと思いきや、
松尾芭蕉」を熱唱するなど、トミ・レブレロは観客を魅了した。

【ヤスミン・ハムダン】

レバノン出身のヤスミン・ハムダン。
直前の「サラーム海上の音楽遊覧飛行」で紹介されたように、
ジム・ジャームッシュ監督映画『Only Lovers Left Alive』の挿入歌『HAL』からスタート。


Yasmine Hamdan - Hal - YouTube


普通のマイクとリバーブ効果のあるマイクを使い分けているのか、2本のマイクで歌い上げていく。
間に「ありがとうございます」や「おおきに」といった、日本語の言葉で挨拶。
時おり自らの体を後ろにそらせながら情熱的歌い上げた。

サム・リー

「イギリスの少数民族のコミュニティで教えを乞い、伝承曲を150曲以上習得した」
というサム・リー。バイオリン(フィドル)やピアノ、シュルティ・ボックスなどの打楽器、そして琴/三味線といった多国籍な編成での演奏だった。

しかし、琴、三味線、ピアノを1人で弾きこなす女性の外国人の方は誰なんだろう。起用だな~。

tofubeats

tofubeatsは、神戸市で活動を続けるトラックメイカー/DJ。
学生時代からインターネットで活動を行い、YUKIももいろクローバー、Flo Rida、Para One、くるり等、 ジャンルを問わず様々なアーティストのリミックスを手掛ける。

とのことだが、何と自分より年下である。
自分の曲と、途中にくるりのロックンロール・ハネムーンを流して、サッと帰っていった。

自分より年下の人物がこういったステージで活躍する年代になってしまったのか、
となんだか感慨深い。


続く。