【インドに行ってきた】ニューデリー2日目
2日目。
昨晩のことがあってか、インドに対する印象はよくない。
そんな若干のインド人不審の感情を抱えながら、この日はもう一つの山場があった。
電車のチケットをとること。
今回は、出発地点(デリー)と最終到達地点(ムンバイ)の飛行機は決まっているので、それに合わせて旅を組み立てる必要があった。
間の移動手段(電車)と、それに合わせた街と日程を決めなければならない。
しかし、インド側のシステム系の問題で日本から電車のチケットが取れなかったのだ。
(取ろうとしたのが直前だったのが一番問題ではある)
2日目は、何もよりも先に電車のチケットを予約しに行くことになっていた。
ホテルを出て、デリーの喧騒の中へ。
初めて見るインドの朝の風景は、とても賑やかなものだった。
果物を売る人、何やら揚げている人、オートリキシャは狭い路地を抜けていく。
日本とは全く違う活気のあるインドの街を、好奇心を持ってキョロキョロしていると、ニューデリー駅に到着した。
「外国人窓口なら単にチケットを取ることができる」という情報をネットから得ていた。
インド人がたくさん並んでいる窓口やしつこく「予約ならこっちダヨ!」と声をかけてくるインド人達には脇目もふらず、外国人窓口のある駅の2階へ。
(「INTERNATIONAL TOURIST BUREAU」と書いてある青い看板が案内してくれます)
ドアを開けると、ひと目でインド人ではないとわかる外国人がたくさんいる。
ほっとした。
旅の後半になるとそんなことはなくなったけど、この頃は「インド人以外の外国人(旅行者)」がいると、そこは安心できる空間になった。
ほとんど日本も出たことのない日本人である俺が外国人旅行者がいると安心するっていうのも変な話だけど、そのくらい最初はインド人に対して不信感を持っていた。
電車のチケットは簡単にとれた。
簡単な申し込み用紙に記入をして、あとは順番がまわってくるまで待つだけ。
あとは英語の話せるインド人予約スタッフが、ささっと予約手続きをしてくれる。
少し予定がずれたものの(アグラ+1日、バラナシ-1日)、
・ニューデリー→アグラ(朝発)
・ツンドラ(アグラから20km)→バラナシ(2C夜行)
・バラナシ→ムンバイ(3C夜行、28時間の長距離電車)
のチケットがとれた。
一番の不安材料だった電車のチケットがとれたことで、「とりあえず、旅をすることができる」ことが確定し安心した。
その後は一日デリーを歩きまわった。
インドの首都デリー。
世界的な都市であるとはいえ、やはりデリーはインドだった。
人が多い。
外国人・富裕層向けの欧米系チェーン店はそうでもないのだが、中心街から少し離れると活気あふれるインド人の生活を見ることができる。
(服のバザールの様子)
このような現地のバザールと先進諸国から進出してきた(インド人からしてみたら高級な)チェーン店、昔ながらの町並みと高層ビル、そして貧困と富。
都市というと、東京のようなどこへ行っても「都市として整っている」イメージを持ちがちだが、途上国の都市とはそういった対立概念的なものが混在する場所なのだろう。
ニューデリーの中心であるコンノートプレースをぶらぶらし、アヤコが持参していた「地球の歩き方 aruco」に載っていた南インド料理レストラン「SARAVANAA BHAVAN」の本店にて昼食をいただく。
お昼時ということもあり、店の前には行列ができていた
身なりのしっかりとしたインド人が多かったので、インド人にとっては「地元のちょっといいお店」といった感じのお店なのだろうか。
注文したのは、名前は忘れたが270Rsのカレーセット。
早速食す。
12時の位置のカレーから順に感想を。
辛い、辛い、辛い、辛い、辛い、辛い、甘い、ヨーグルト、ヨーグルト。
予想はしていたことではあるが、やはり辛い。
うまい、のだろうけど、何よりも先に辛いがくる。
ヨーグルトはカレーを頼めばだいたいついてくる。
さすがのインド人も、辛さを緩和するものが欲しくなるらしく、カレーにまぜたり(辛さが軽減され、滑らかな口当たりに)、食の途中につまんだりする。
食後に、インドで親しまれるチャイをいただく。
感想。
おいしい。濃い、そして甘い。
辛いか甘いかしかなく、インドの食文化は本当に極端だ。
その後、インドの赤い城ラールキラーを訪れる。
途中まで結構な距離を歩いて移動したので、到着する頃には暗くなっていた。
時間が遅いこともあり中には入れなかったが、ライトアップされたラールキラーは、「赤土のレンガ作り+デリーの霧」で幻想的だった。
次に、インド最大のモスクのひとつであるジャーマー・マスジットに向かう。
疲れたので、通りかかったリキシャ(自転車型)に乗り込む。
インド初リキシャ。
リキシャのおっちゃんが、混雑しているラッシュタイムのデリーを必死に走ってくれジャーマー・マスジット前に到着した。
そしておっちゃん。
「ついたぞ!ちなみに、ジャーマー・マスジットはもう閉まったけどネ!」
なんてお茶目なことを言い出す。
…まあ確かに、「ジャーマー・マスジットまで」という約束はちゃんと果たしてくれている。
「やったーありがとう!って、閉まっとるやないかい!」
とツッコミたい感情を必死に抑え、事前に交渉した分のお金を支払った。
ここで何もせずに帰るのも癪なので、とりあえず行ってみることに。
参道はバザールらしく活気がある。
とてもいい匂いがすした。
花火大会の帰りに露天を冷やかしながらぶらぶら歩いている時の匂いだ。
結局ジャーマー・マスジットには入れず、暗くて様子を見ることもできなかったけれど、夜のひんやりした中のバザールの散歩はとても気持ちがよかった。
「これ、さっきの鳥かもね!がはは!」とか恐ろしいことをいいながらバターチキンとタンドリーチキンを食べ(バザールでは生きている鶏が店先で売られている店があった)帰路につく。
インドのイメージが変わった一日だった。
冒頭にも書いたが、前日の出来事からインド人の印象はよくなかった。
しかし、この日体感したインドは、理解の範疇を超えていて、刺激的で、危険までいかない心地良いスリルで楽しませてくれるものだった。
次の日は、朝6時の電車。
「ちゃんと乗れるのか?」「時間通りに来るのか?」と不安な要素はたくさんあったが、それが楽しみになるほどインドが楽しめるようになった、そんな一日だった。