【インドに行ってきた】アグラ3日目~ツンドラの悲劇~
長い一日だった。
アグラは日帰りでも観光できる場所と言われている。そこに3日間も滞在するとなると特に行くところもなくなる。よってこの日も昼近くまでホテルのベッドで休息をとった。
12時前のホテルから出て、タージマハル近くに昼飯を食べに行く。
金曜日はタージマハルが休みということで、先日訪れた時ほどの活気はない。
そんな都合も子どもには関係ない。
「商売ごっこ?」をするインドの少年たち。働く大人の真似をして遊ぶ子どもはよく見かけた。
昼飯も食べ終わり「両替したいね」と話しながら外に出ると、世間話をしているオートリキシャ乗りのおっちゃんが。俺らを見つけた途端に大きな声をあげた。
「ノノムラマコト~!!」
ん?野々村真?インドに関係してる人だっけ?
するとおっちゃん、分厚い手帳から写真を出して見せてくれた。確かに野々村真と目の前のおっちゃんが一緒に写った写真だ。どうも野々村真がTVの企画かなんかでアグラに来た時におっちゃんのリキシャに乗ったようだ。
おっちゃんはとても人懐っこい顔をしていて、愛想もいい。
特に予定もないし、若干の刺激を求めていた僕らはおっちゃんにリキシャに乗ることにした。
両替する場所に連れていってもらったあと、こう提案された。
「どこいく?いいお土産屋があるんだけど行かない?」
出た!お土産屋!リキシャに乗ってると連れて行かれる場所No.1!
「いやいや、そんな悪いところじゃないよ!実はそこに連れて行くと、50ルピーもらえるんだ。何も買わなくてもいいから10分だけ我慢してくれない?」
「なるほど、やっぱり裏でそういうことになってるだな」と。インド人が言うで警戒すべき言葉として「今あそこは使えない、あそこはダメだ(良くない)→いいところあるヨ!!」ということがある。その対象は電車の切符だったり、お土産屋だったり、ホテルだったり様々だが、基本的な論理の骨格は同じだと思う。
もちろん「インド人はどんな手段を使って騙してくるかわからないから、疑ってかかるにこしたことはない」とは認識している。ただこのおっちゃんはそれを正直に言った。そして、疑いだしたらキリがなくて、不確実性や偶然性を避ける旅は何も楽しくはない。
お土産だったら騙されてもたかが知れてるし、お土産をそろそろ欲しくなっていたところだったので行ってみることに。
そんな警戒心を持ちつつお土産屋に行ったんだけど、結局お茶を大量に買った。
まあ買った。
そして値切った(結構値切った。女子2人が脅威の粘りを見せ、30分ぐらい交渉したらだいぶ安くなった)。
物色中。
一応説明しておくが、5文字のアレではない。
大ちゃん(23)と土産屋のドラ息子(29)
ホントに29歳らしい。下ネタ大好き。
おっちゃんにツンドラ駅までのタクシーを予約する場所に連れて行ってもらう。前金として半額を支払いホテルに帰った。
案の定タクシーは遅刻(30分)したけれど、40分かけてツンドラ駅に到着。この駅(町)はガイドブックにはのってないぐらい小さくて地元の町。当然、駅舎も小さい。
牛もいる。
電車は20時出発の予定だった。
「疲れたね~早く夜行で寝たい!」
ただ、その願いは叶わなかった。
20時前、ホームに向かう。
20時、電車が来ないので近くの人に聞いてみる。
「プールヴァエクスプレスってまだこないんですか?」
「うーん。遅れてるらしいよ」
情報が少ない。ただ、アナウンスは聞き取れない&一度ホームから離れたら電車が来た時に乗り込めないので、じっとホームで待つ。
21時、来ない。
22時、寒い。
23時、2人が体調悪くなってきた。
24時、寒い、眠い。ホームにいる人が少なくなってきた。
25時、来ない。どうしようもないので、駅舎に行って聞いてみることに。
「あ?プールヴァエクスプレスなら26時半にくる予定だよ。ほら!(6.5delayの表示)」
ホッとした。6時間半遅れで安心するのも変な話だけど、自分の状況認識ができないことほど不安なことはない。もうしばらく待たねばならない。
26時、おれ立ち寝。そして、乗る車両が止まりそうな場所に移動
26時半、こない。寒いので、インド人がホームでしていた焚き火にあたる。寒さを耐えるのに国は関係ない。
27時、ホームに電車のフロントライトの光がさす。これきたんじゃないか!?
お?お?…
キターーーーー!!!!
夜行というか、もうすぐ朝発列車にて就寝。