映画感想:『ルパン三世 カリオストロの城』を大人が見ても楽しめる理由
英語学習のためにhuluに登録したのだが、『ルパン三世 カリオストロの城』が目にとまったのでつい観てしまった。
最初に観たのは、子どもの頃、小学生だっただろうか。昔は放送の多かった地上波の映画放送だった気がする。その時は、ルパンの活躍を見ていて楽しかった。
悪い伯爵と美しいクラリス、そして自由に活躍するルパンとその仲間。子どもにもわかりやすい展開。そしてディズニー映画等で馴染みのある「お姫様を悪役から助け出す」というストーリー。
TVにくぎ付けになって見たものだった。
大人になった今、もう一度この映画を観た。大人になっても楽しめる映画だった。
前述のルパンに登場するキャラクター、展開、スト―リーはもちろん面白い。何度見てもワクワクする。
ただ子どもの頃は気にしなかった点が、この映画を今観ても面白くさせていることを感じた。
それは音楽だった。
『ルパン三世』の音楽は、そのテーマをはじめとして大野雄二氏が作曲をしている。氏は、ジャズピアニスト、作曲家、編曲家で、ルパン他、映画やドラマの音楽を数多く手がけている。本作ではその音楽が、良く聞こえた。
まず主題歌の『炎のたからもの』
炎のたからもの LIVE ver. "Lupin the third"
劇中の早い展開とは違い靜かで、一方で力強い曲となっている。
そして個人的に特筆すべきだと思っているのは、ルパンがオートジャイロを奪うシーンで流れる『サンバ・テンペラード』である。
Lupin the 3rd - Samba Temperado [ Live ] - Yuji Ohno
決して明るい曲ではない。リズミカルではありつつも、JAZZ特有の哀愁がただよう曲となっている。この曲ような音楽が使われることで、本作は大人も楽しめる映画になっているのだと思う。
ルパンは、子どもにとっての「ヒーロー」ではない。クラリスの言うように「おじさま」という大人なのである。そう感じさせるのは大野雄二氏の音楽であると考えている。
氏は昨年末、自身のバンド「Yuji Ohno & Lupintic Five」を解散した。LIVE活動を辞めるということではないようだが、一度はLIVEで『サンバ・テンペラード』を聞いてみたいものである。